
好きな場所
^^
2024-05-28
就職を機に上京してきました。
地元は東北の田舎で、自然がたくさんある場所です。家は栄えた場所よりも更に山の方にあるので、大きなスーパーやドラッグストア、ごはん屋さんに行くには車が必須です。学生時代には住んでるところと反対方向にある高校を選んでしまったので、毎日12kmの道のりを自転車で通学していました。挙句の果てに山の方にあるので帰りはずっと長い坂を登らないといけなかったのです。そんな生活を送っていましたが、大学では更に田舎の方に行きました。娯楽もほとんどなく、映画館に行くには車を1時間以上走らせないといけません。雪はすごい降るし、夏はとても暑い。家の眼の前には田んぼが一面に広がり、夏はカエルの鳴き声が響き渡って、玄関前にはいつも30匹くらい来ていました。(家の中でばったり対面することも。。)
そんな田舎での生活は私にとって、とても幸せな時間で今でも忘れられません。
またあの場所で暮らしたいなと友人に言うと、「何もなくて不便で大変じゃないか。」となぜまた暮らしたいのかわからないと言われます。「こっちはごはん屋さんも沢山あるし、移動にも便利だし、娯楽も沢山あるじゃないか。」皆よくこのように言います。しかし、私にとっては大切なものが足りないと感じてしまうのです。
「何もないがある」
私にとって大切なものは何も無いということです。栄えた場所にはこの「何もない」が無いと感じます。あの場所は娯楽もごはん屋さんも少ないしどこへ行くにも車は必要だし、と沢山の不便なことがあります。でもその不便さが私にとってはとても愛おしいものです。あの場所には「何もないがある」これが一番の魅力なのです。
田舎でよくあること?なのかはわかりませんが、住んでいた地域では、スーパーに行くといつもおばあさん達が談笑しています。一緒に来たわけではなく、ばったりそこで会ったようです。行くスーパーはそこしか無いので、こうなることは必然なのかもしれません。ですが、私はこの光景が特に好きです。それを見るたびに安心します。理由はわかりませんがそんな気持ちになります。
あの場所では時間がゆっくりと進んでいます。時間の進み方が本当に違います。この話をするといつも信じてもらえませんし、そこに住んでいた友人にもそんなわけあるかと言われます。笑
こんな感じで私はあの町が好きでたまりません。不便さ、時間の流れ、そしてあの町に漂う空気すべてが愛おしいです。
上京後、新しい環境での生活となり、その変化の振り幅が辛いと感じることが何度もありました。しかし、これから先長くお世話になる場所です。あの場所と同じように、ここで沢山の魅力をみつけて、この場所を好きになって、すべてを愛おしく思えるように。そんな気持ちでいます。
日々の中で少しずつ魅力を見つけていく。そんな楽しい毎日を送れたら嬉しいですね。
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